Platanus’s Favourite

お気に入りだけ。「殿堂入り」BL作品の感想。
すべてネタバレ感想なので、ご注意ください。
<< July 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

*Profile
*読書メーター
りょうの最近読んだ本
*Selected Entries
*Categories
*Archives
*Links
*Recent Comments
*Others

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | - | -

優しいプライド

砂原 糖子
オークラ出版
(2002-01)

研修医×ホスト、中学の同級生の再会もの。

砂原さんのホストものは好きな作品が多いが、これが第一作目じゃないかな。
ひねくれた受と優しくてもっさりした感じの攻が私好み。
個人的な趣味の上での難点をいえば、このイラストかな。門地さんのイラストはわりと好きなのだが、受の志上が童顔に見えて、どうにも本文のイメージと合わないような…。線の細い美形という設定なんだけど、身長は170センチ台後半でちょっと吊り目っていう設定なんだけどなあ……。そうは見えない。

また志上というキャラの言動は結構子供っぽいところがあるので、このイラストを見ながら読んでいると、そういう外見上の設定を忘れがちで。うーん、ラノベはイラストとセットと言われると、そうかな?と思うことが多い私も、この作品に関してはイラストのイメージと本文のイメージをダブらせてしまう。

話はじっくり系。テンポもいいし、設定だって凝っているのだが、どちらかといえば腰を据えて読ませるような話じゃないかと。重苦しくなりすぎずに、重たいテーマを扱っていて、過不足がない。とにかく主人公の心情を丁寧に追っていて感情移入がしやすい。
志上はたぶんどちらかといえば読者に好かれないタイプじゃないだろうか。(受は優しく健気なタイプが好きって人のほうが多そうなので)
実際、性格がいいとは言いがたいのだが、私はこういうタイプのほうがかえって共感しやすくて好きなので、最初から楽しく読み始めた。志上が保高を嫌っている理由というのが、またよく分かるもので…。過去の「事件」は二回とも保高のやり方が無神経だったと思う。保高だって子供だったんだから仕方ないんだろうけど、中学生の人間関係って微妙なバランスで成り立っているのに、それはないだろうと。
だから最初は保高に魅力を感じなかった。いい人だけど、いい男じゃないっていうようなタイプだし。
けど、ふたりの同居が始まって保高の真っ直ぐな優しさが分かってくると、だんだん志上は早く保高への想いに気付くといいなあと思えてきて…でも保高には彼女がいるので自覚してしまうとかなり切ない。
自分でも気付かない恋心から、保高の彼女を寝取ってしまう志上だが、恋に気づくと今度は保高にバレないかと不安になる。勝手と言ってしまうこともできるけど、そういう行動に出てしまうのは志上が不器用で、孤独だから…。バレたほうが気持ちよくハッピーエンドになると分かっていても、このまま嘘をつき通せればいいのにと思ってしまい、ハラハラさせられた。
作中で二回も女性に「あなたの子供よ」と言われてしまう受。すげーな、と思っていたが、これが一度はうまくいった保高と別れる原因になり、さらに志上の背負っているものに繋がっていて、このへんは上手いなあと感心しつつ、引き込まれた。
誤解をされてもここで本当のことが話せないのが志上の魅力であり、ここで志上を殴って別れるのが保高の魅力だと思う。切ないけど、納得の展開というか。
保高と別れた志上は、他の男の子供を自分の子供だと言い張る奏恵に本当のことを話し、クズともまで言われるが、それでも彼女の幸せを本気で願う。話の最初のころは確かにクズと呼ばれても仕方のなかった志上が、ここまで変ったのは保高のおかげで…。読んでいて辛い場面ではあるけど、同時に少しだけ安心できる場面でもあった。
砂原作品の場合、性格の悪いキャラが出てきても、同情できるだけの背景があり、あとから必ず反省と改心のきっかけが出てくるのがいい。きっちり救いがある。
公園での再会は本当に感動的だった。
甘い続編がまたよかった。それぞれ不器用なふたりだけど、きっと上手くやっていくんだろうなあと思えた。

砂原糖子 | comments(0) | -

スポンサーサイト

- | - | -
Comment









<< 好きで好きで好きで | main | 唇にキス 舌の上に愛 >>