Platanus’s Favourite

お気に入りだけ。「殿堂入り」BL作品の感想。
すべてネタバレ感想なので、ご注意ください。
<< September 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

*Profile
*読書メーター
りょうの最近読んだ本
*Selected Entries
*Categories
*Archives
*Links
*Recent Comments
*Others

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | - | -

追憶の獅子 アーサーズ・ガーディアン

Unit Vanilla
大洋図書
(2009-01-29)

シリーズ完結の4冊目。
4冊目は設定が好みっぽかったのだが、3冊目が面白かったので、逆にもう期待していなかった。
けど、これは面白い。
AGシリーズは失敗だろ、という失礼な発言はここで撤回しておきます。
少なくとも後半2冊が世に出てよかったと…。
でも、シリーズ全体をコメディと位置づけるのは無理があると思う。(なにか言わずにいられない性格なもので…)


これは、ひちわさん?
実は2冊目がひちわさんかと思ってたんだけど、これがひちわさんって気がしてきた。…ただ私はどうも岩本さんとひちわさんの区別がよく分かってない気がするから、自信はないけど。

感想を書きつつ、その予想の根拠を。
毎回、しょーもない!と書き続けてきたAGという組織の創設秘話が織り込まれている。本当に町内清掃から始まった組織だったとは意外でした(笑)
3巻でのフォローと今回の話を読んで、組織のあり方にわりと納得がいった。なにかこう、他の3人が広げた風呂敷(伏線とか含めて)を一生懸命畳みつつ(回収しつつ)、自作を展開していたという印象だった。このフォローの上手さが、ひちわさん的。ひちわさんはよく自作の本編に対しても、続編で自然にきれいにこまめにフォローを入れてるし、「SASRA」でも最終話でぶったぎられた「グランドロマン」を(ぶったぎったのは、話の構成上必要だったからだけど)、続編できっちり補修していたし。
AG創設の話ではアーサーの人柄がすごく魅力的。1、2冊目で「理念に共感した」というキャラの言葉を笑い飛ばしていた私も、アーサーの語る理想には素直に好感が持てた。
今回も「くだらないミッション」なのだが、使命に燃えてない諒一がミッションを受けているので、しょーもなさが作品内でも「しょーもないもの」として描かれるので、全然気にならなかった。お見事です。

3冊目のほうが小説としての読み応えはあったけど、4冊目のほうが恋愛ものとして楽しめる。普通にロマンスが入ってる。
男前な主人公とちょっぴりヘタレなセレブって組み合わせ。これも、ひちわさん的。脇キャラが個性的で奥行きがある。しかも当て馬とか主人公のファンとかではなく、友達として出てくるあたりも、ひちわさん的。
主人公が貴族のお屋敷に住んでても、さびれたパブが舞台っていうのも、ひちわさんっぽい。
諒一がカッコよかった。ひねくれてるように見えて情が深く、優しいんだけど甘くなり過ぎないあたりが。落ち込んでいるようなときでも、男らしいのがよかった。
ダグラスもヘタレだけど、実はセレブで、ものすごい包容力を持っていて、でもやっぱりヘタレで(笑)
ヘタレ×男前が好きなので、歳の差、年上攻であることが気にならなかった。
ストーリーは過去ともっと過去を行ったり来たりなのが、最初は読みづらかったが、慣れると別に平気だった。むしろラブと直接結びつかないアーサーとの友情を、BL読者に「ジャマな部分」と思わせず、楽しく読ませてしまうところがすごい。
日本での再会で終わりかと思ったら、さらに仕掛けがあって、読み応えたっぷりだった。なかなかカッコいいラストシーンだし。
諒一とダグラス、両方の視点で話が進むので、どちらにも感情移入しやすかった。ふたりとも適度に弱い部分やダメなところがあって共感しやすいタイプだし、しかも魅力的だし。
や〜、面白かった。甘さたっぷりなところもよかった。
Unit Vanilla | comments(0) | -

胡蝶の誘惑 アーサーズ・ガーディアン

Unit Vanilla
大洋図書
(2008-11-27)

評判はたぶんよくないけど、私にとってはこのシリーズの中で一番読ませる作品はこれ。4冊目を待つまでもなさそう。
ネタと作風の好き嫌いは別として、小説として読ませてくれるところがいい。

このシリーズ、「覇者(スター)」、「誘惑(エロス)」とか「獅子(キング)」とかタイトルの漢字をいちいちカタカナで読ませるのがどうにもセンスを感じないのだが…。これも趣味の問題か。


これは木原さんでしょう。3行ぐらい読んで予想終わり。これが木原さんじゃなければ、どれだけ模倣の上手い作者なんだ?と思う。あちこちに散りばめられた木原テイストの展開、小道具の数々を本人以外が出しているとしたら、かなりマニアックだ。ネタもキャラ(とくに先輩、後輩)も木原テイストだし、徹底した暴走ぶりなんかも。
まあ外れても迷惑がかかるというものではないので(ここまで自信たっぷりに書いておいて外れてたら恥ずかしいだろうけど)、木原作品という前提で感想を書こうかと。

受の持病を手術で治すというのが今回のミッションらしい。またずいぶんと町内清掃的なしょーもない世界平和だなーと思いつつ、その持病があると二人の愛の障害になるからBL的には見過ごせないかも?とか思っておくことにした。なにかこう、体の持病より激しい妄想癖のほうが叶野の生活に支障をきたしているような気がしないでもないが。
今回はどうしてこんなに毎回しょぼいミッションなのかということに、一応の説明(フォロー?)がついている。つまり「誰を助けるか」ではなく「誰の依頼なのか」が組織としては重要ということになるのかな。内容はしょーもなく、ツッコミどころ満載であろうとも筋は通った。…つくづく読むのに邪魔な設定だが、片方が何らかの目的を持って近づくという作為的な出会いのシチュエーションを作るために必要な設定だと思うことにした。
叶野は妄想が激しくないときはまずまず常識人で、わりと感情移入しやすいタイプだった。グレッグのほうは木原作品の攻キャラとしては珍しく、普通にカッコいい。叶野の恥ずかしい勘違いから始まった関係だが、まあいい出会いだったのではないかと。
今回の作品の痛さは、この恥ずかしさです。きっと。
読みやすかったし、面白かった。
Unit Vanilla | comments(0) | -