Platanus’s Favourite

お気に入りだけ。「殿堂入り」BL作品の感想。
すべてネタバレ感想なので、ご注意ください。
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水に眠る恋

可南 さらさ
幻冬舎コミックス
(2005-11-30)

可南さんの文章は好きなんだけど、キャラが趣味に合わないことが多い。
数作読んでみて、わたしには合わないかもと思っていた。
この作品も表紙やタイトルは好きなんだけど、裏表紙のあらすじで強要っぽいことが書いてあったので、ダメだろうなと思ってた。

でも、古本屋(すみません…)の可南さんのコーナーの前で、何かないかな〜?としつこく言っていたら、これをお薦めしてもらった。
でも、これムリヤリだよ?と思いつつ、まあハズレを引くのもBLの醍醐味だよね〜と思ってお買上。

すみません…ほんと素晴しい作品でした。
お薦めに感謝!!

円陣さんのイラストもきれい♪

同級生の再会ものって設定がものすごくツボなんで、結構楽しく読み始めた。
高校時代に二人が親しくなっていくエピソード、尚哉(受)の「裏切り」もノスタルジックできれいに語られていく。9年経ってもまだセピア色ではないし、切ないんだけど、純粋な感じがしてよかった。
ところどころ久住(攻)の視点が入るために、「過去の償いとして体を〜」ときても、あまり痛さはない。なんかむしろ手酷く裏切られた(と誤解してる)のに、そんなこと言い出しちゃう攻の一途さに泣けてくるというか。
誤解されてる部分は尚哉ももっときちんと話せばいいのに、と思いつつ、捨てた形になったのは確かだから、言い訳めいたことを言わないところが潔いなと思ったり。
潔いといえば、久住の謝り方は本当に男らしくていいなあと。
「友達としても無理」と言われた尚哉が出て行く場面では、戻れ戻れと思いながらページをめくり、尚哉の手帳に挟まっていたものが分かったときには涙ぐんだ。
やー、感動しました。

2話目は、二人が付き合いだして、尚哉の家族(母と妹)に関係がバレて反対され…という内容。
尚哉の家庭は、父親が会社の金を使い込んだ上に、若い女と逃げてしまったという複雑な事情があるので、普通に反対されるのとは重みが違う。
高校中退で働き出して、母と妹を養ってきた尚哉だから、今度は自分の幸せを追求すればいいと思う。でも、家族を捨てて自分だけ幸せになっても後悔する、と考える優しさがよかった。
なんか…生活もある程度落ち着いてきて、やっと人並みの幸せを掴んだ息子(兄)に対して、まだ自分たちを優先しろっていう母娘ってひどくない?と始めのうちは思った。
でも、まずはお母さん。夫がいなくなった経緯から、世間の目も含めて苦労してきた彼女が、息子に「人並みの幸せを」と願うのは当然かもしれない。
妹のほうは、1話目に久住のところに一人で行って「兄に付きまとわないでください」と言っている。お兄さんを守るために行動してるわけで。しかも父親に捨てられた過去があるから、父親代わりの兄に甘えちゃうのは仕方ないというか。
尚哉がやっと掴んだ幸せを理解してあげてほしいとは思うけど、すぐには受け入れられない気持ちはよく分かった。
家族だからこそ、受け入れられないこともあるし。
お母さんからの手紙と妹の結婚式は、これまた感動した。

すぐにはついていけないという尚哉の気持ちを理解して、いつまでも待っていると言ってくれる久住が男前だった。

いい話を読んだ。

可南さらさ | comments(0) | -